ことばの学校二期生修了展<br>「Archipelago~群島語~」

2023.8.10 - 8.11

ことばの学校二期生修了展
「Archipelago~群島語~」

日程

8月10日(木)
17:00〜21:00

8月11日(金・祝)
11:00〜20:00

入場料

無料

8.10 THU17:00〜20:00
8.11 FRI11:00〜20:00
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佐々木敦が主任講師を務める、ことばと出会い直すための講座 言語表現コース「ことばの学校」の第二期の修了展が開催される。展示されるものは、ことば。第二期修了生の有志が主催し、講座内で執筆された修了作品だけでなく、「Archipelago ~群島語~」というコンセプトで三種類の企画をもうけ、本展のための新作も展示される。

展示コンセプト「Archipelago ~群島語~」について
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Archpelagoとは群島や多島海を意味することば。文化や言語が往来することで豊かに発展し、離れながらも、海を通じて、また海面下深くの陸地を通じて、緩やかに繋がっている、そういった島々の境域や概念を指すことばでもある。様々な背景を持ちながら、ことばを書くこと、表現することを、接点に集まった人々が、企画テーマ毎に執筆し、その作品を一堂に介して展示することで、群島をめぐる多様なエレメントの交錯・折り重なりをコンセプトイメージに託し、来場者の方々に、作品間の繋がりや、相互作用を発見してもらう。ことばの海・島宇宙を、自由に航海して欲しい。そんな願いや意図が込められて、本展は企画されている。
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―――わたしたちは、様々な場所に行き、様々な場所で住み、様々な場所のたくさんの人びとと、出会い、ことばを交わしながら生活しています。そして小説や詩歌といった文学、映画などを通じた多様な文化的想像力によって、未だ訪れたことのない場所、過去・現代・未来の見知らぬ空間について、自由に思いを巡らせることが出来ます。夢幻的なイメージでユースカルチャーを撮影する、アメリカの写真家、Ryan Mcginleyは、”everybody knows this is nowhere”という題の写真集を2010年に発表しています。その名も、誰もが知っている、どこにもない場所。私たちの想像の力は、いまここにある場所も、ここにないどこかも、魅力的に現出させることが出来るのです。
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“Archipelago” ーことばに、わたしたちの想像力の跳躍を托して、足を運んでくださった全ての方々と、魅惑的なことばの旅の道行を、ともに出来ることを、切に祈念して。

ことばの学校第二期演習科有志がこのたびの展示コンセプトとして選んだのは、アーキペラゴ!
ことば(=言語表現)の多様な多様性(「多様な多様性」に傍点)を是とするスクールの修了展のタイトルとして、実にピッタリだと思う。
世界には無数の言語が存在する、ということだけではない。日本語自体が複数なのだし、それぞれの「わたしのことば」も単数ではない。
だがしかし、ことばに限らず、このところ日本はますます、単数形への傾斜を強めていっているように思われる。
単数化への、ひとつになることへの、軽やかでおおらかな抗いとして、アーキペラゴ=群島「語」ということばを受け取った。
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映画美学校言語表現コース「ことばの学校」主任講師
佐々木敦

お問合せ:
ことばの学校 第二期生
Twitterアカウント

「ことばの学校」について

映画美学校で開講され「言語表現のさまざまなジャンルや形式に触れ、『自分が自分だからこそ書ける言葉』を発見し、獲得すること」を目指す。思考家の佐々木敦が主任講師を務める。第二期は、2022年7月〜2023年6月に開講した。
「『自分のことば』を探し当てるためにこそ、まずは『他者(たち)のことば』の多種多様なありようを知る/学ぶことが重要なのだということ、書くことと読むこと、そして話すことは、ことばを用いた営み/試みという点で、分かち難く結びついているのだということ、ふだんから無意識にいくらでも使うことが出来ている(と思っている)ことばというものは、しかしひとたび意識してみると、日常性の皮膜を喰い破って、思いも寄らなかった謎と神秘を露わにすることがあるのだということ、自分自身が今も日々何度となく体験している「ことば」という「未知」との遭遇を、 スクールという仕組みにおいてどうにかして共有可能に出来ないだろうか...おおよそこんな欲望と野心とともに『ことばの学校』は船出した。」(映画美学校HPより)