連続講座「面とはどんなアトリエか?」第一回<br>いぬのせなか座 meets 連続講座「映画以内、映画以後、映画辺境」

2023.1.27

連続講座「面とはどんなアトリエか?」第一回
いぬのせなか座 meets 連続講座「映画以内、映画以後、映画辺境」

出演

山本浩貴(いぬのせなか座)、鈴木一平※、七里圭

※オンライン参加

タイムスケジュール

1/27(金)
17:10 開場
17:30 参考上映『背 吉増剛造×空間現代』(62分)
※音声は5.1chではなくステレオになります。
※上映後、転換作業を行いますので、一度退出をお願いします。
19:05 再開場
19:20 トーク開始
※トークからのご参加も可能です。

料金

2,000円

1.27 17:30※上映19:20※トーク
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鈴木一平さんが新型コロナウイルス感染症の濃厚接触者となってしまった(鈴木さんは陽性者ではなく症状もございません)都合により、オンラインでのご出演となります。ご了承くださいます様お願い申し上げます。

〈面〉――それは人が表現を行なう上で取られた最大の選択のひとつだった。
まずは地面や岩壁からはじまっただろう、人の表現と〈面〉との関係は、時を経て、絵画におけるキャンヴァス、映画におけるスクリーン、言語表現における紙面と、より権威的で不可欠なものとなっていった。人はそのもとで、少なくない時間、さまざまな思考や感情を積み上げ、発明し、新たな技術と表現を得てきたのだった。
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しかし、今やその内実は大きく変わりつつある。
例えば現在、多くの絵や紙面レイアウトは、最終的には〈面〉のかたちに落着することを前提としつつも、その制作プロセスにおいては電子端末のソフトウェアのなかで多層的な奥行きあるデータとしてまずは組み上げられるものとしてある。
映画もまた、一枚のスクリーンに投影される像を制作し鑑賞する営みから、制作・鑑賞プロセスいずれにおいても3D、さらにはVRにスタイルを移行しつつある。
そもそも現在、人の生活において最も支配的な〈面〉であるところのPCやタブレット、スマートフォンの画面を規定しているグラフィカル・ユーザー・インターフェイス(GUI)やタッチパネルは、もはや〈面〉を擬態しながら〈面〉の定義を根本から更新するものとして、私らの肉体のそばで表現の大半を表示しているだろう。
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自らにおいて表現を支え、規定し、改変不可能な神秘の気配とともに鑑賞される単位としての〈面〉から、あらゆるものが誰にでも操作可能であり続ける奥行ある空間の一時的切片としての〈面〉へ。さらには三次元空間へ?
しかしそれでいて、私らはなぜ未だに〈面〉にこだわり、そこで表現を為し、受け取ろうとしているのだろうか。それが歴史の過渡期に見られるただの惰性であったとして、〈面〉が大きな切断線のないままその内実を変え、あるいは別の形式に取って代わられていくとして、いま〈面〉を問うておかなければ、例えばそこに依存し表現の積み重ねられてきた映画も詩歌も、いったい何において、どこに向けて表現を為していたのか、不確かなままとなってしまうのではないか。
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〈面〉とは、これまで/いま、表現にとってどのような場であった/あるのか。
つまりは【面とはどんなアトリエか?】。
この問いのもとで、多くの意味で過渡期といえる2023年のいま、映画や詩歌をはじめとするジャンルの蓄積を振り返り、分解し、昨今の〈面〉をめぐる技術的状況とも擦り合わせながら、新たな地平を(ほとんど実験めくふらつきでもって?)探すこと――。
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2014年から続く連続講座「映画以内、映画以後、映画辺境」をはじめ、映画を構成する要素や前提を作品・議論双方で問い、昨年にはまさに〈面〉を大きな主題とする作品『背』も公開したばかりの映画監督・七里圭と、連続講座「言語表現を酷使する(ための)レイアウト」をはじめ様々な角度から言語表現やデザインを構成する諸要素を実践・検討してきたいぬのせなか座が、ときにゲストも呼びつつ行なっていく企画の概要は以上のとおりである。
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いぬのせなか座・山本浩貴

作品情報:
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『背』
2021年/日本/62分/DCP/ドキュメンタリー
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出演:吉増剛造、空間現代
監督・撮影・編集:七里圭
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アソシエイト・プロデューサー:西原多朱 整音:松野泉 撮影・グレーディング:高橋哲也
協力:日景明夫、末永賢、新柵未成、棚沢努、唐津正樹、ホテルニューさか井、Reborn-Art Festival、石巻実行委員会、有限会社 ガリレオクラブ、株式会社 アウラ
企画・製作・配給:チャーム・ポイント
企画協力:合同会社空間現代
制作協力:合同会社インディペンデントフィルム
共同配給:シネマトリックス
文化庁「 ARTS for the future! 」補助対象事業
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『背』公式サイト:
http://keishichiri.com/se-back/

予約方法:
info@scool.jp にてメール予約受付。
※件名「面とはどんなアトリエか?」本文に「名前」「電話番号」「枚数」(※トークからご参加希望の場合はその旨も)をご記入ください。複数名でご予約の場合、全ての方のお名前と電話番号をご記入ください。こちらからの返信をもってご予約完了となります(24時間以内に返信します)。定員になり次第受付を締め切らせていただきます。
※予約キャンセルの場合は、お手数おかけしますが、必ず事前にご一報ください。
ご来場の際はマスクの着用をお願いします。また入場時に手指のアルコール消毒と非接触の検温をさせて頂きます。体調の優れない方、37.5度以上の熱がある方は来場をご遠慮ください。

お問合せ:SCOOL
メール info@scool.jp

七里圭

映画監督。最新作『ピアニストを待ちながら』(主演:井之脇海)の上映が、1/17(火)に早稲田・小野講堂で。2/25(土)には京都・春秋座で、吉増剛造氏の詩をモチーフにした作品上演を電子音楽・作曲家の檜垣智也氏と行う。今年は夏以降に、東京でも映像上演パフォーマンスを開催予定。連続講座も頑張ります!(過去の講座アーカイブも進めています。→ https://note.com/shichirikei/

山本浩貴

1992年生。言語表現・レイアウト。小説や詩やパフォーマンス作品の制作、書物・印刷物のデザインや企画・編集、芸術全般の批評などを通じて、〈私が私であること〉の表現あるいは〈私の死後〉に向けた教育の可能性について共同かつ日常的に考えるための方法や必然性を検討・実践している。主な小説に「無断と土」(鈴木一平との共著、『異常論文』ならびに『ベストSF2022』掲載)、主な批評に「死の投影者による国家と死」(『ユリイカ』2022年9月号 特集=Jホラーの現在)、主なデザインに「クイック・ジャパン」(159号よりアートディレクター)、主な企画・編集に『早稲田文学』2021年秋号(特集=ホラーのリアリティ)。2015年より主宰する「いぬのせなか座」は、小説や詩の実作者からなる制作集団・出版版元として、各種媒体への寄稿・インタビュー掲載のほか、パフォーマンスやワークショップの実施、企画・編集・デザイン・流通を一貫して行なう出版事業の運営など多方面で活動したのち、2021年末をもって第一期終了、現在は山本のみを固定メンバーとした流動的なかたちをとっている。

鈴木一平

1991年、宮城県生まれ。「いぬのせなか座」「Aa」参加。2016年に詩集『灰と家』(いぬのせなか座)を刊行、同書で第6回エルスール財団新人賞受賞、第35回現代詩花椿賞最終候補。