「J演劇」の〈歴史〉を個人的に再訪してみる会<br>第二回「鈴木忠志」を再訪する(2)

2018.9.14

「J演劇」の〈歴史〉を個人的に再訪してみる会
第二回「鈴木忠志」を再訪する(2)

講師:内野儀

講師

内野儀

TA

渋革まろん

日程

9月14日(金)19:30スタート

料金

2,000円

9.14 FRI19:30
  • オープンはスタートの30分前になります。
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まったく個人的な事情で恐縮だが、5年ほどぼーっとしていたようで、ふと気づいてみると、なにがなんだかわからなくなっていた。日本語圏における広義の現代演劇の話である。〈3・11〉以降ということでもあるのだが、どうも、それだけではないようだ。で、職場が変わった昨年春あたりから、劇場通いとでも呼べるものを再開してみたわけだが、感覚的にも思想的にも右往左往している。それで、もう一回、〈歴史〉に戻ろうと考えた。ちょうど、SCOOLという格好の場を与えていただいたので、わたしがライヴで見たことがある、というかぎりにおける〈歴史〉に戻ってみる、という会をやろうかと思い立った。個人的にもかかわりの深い鈴木忠志からはじめてみて、いつになるかわからないが、いわゆるゼロ年代、そして現在近くまで到達することを目指す。具体的には、作品の映像を見て、そのアーティストが書いた演劇論を読み直す、といったことではどうだろう。
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ということで、6月8日に第一回を開催させていただいた。この回では、最初期の『内角の和』(1973)と『騙りの地平』(1980)、さらにそれらにかかわる『劇的なるものをめぐってⅡ』(1970)、『トロイアの女』(1974)について、わたしなりの見方を提示し、また、渋革まろん氏から、演劇の現在とどう結びつけられるかという生産的介入もあった。
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9月14日開催予定の第二回では、ひきつづき、鈴木忠志を扱う。利賀村における第一回世界演劇祭開催(1982)から、水戸芸術館・静岡県舞台芸術センターにいたるいわゆる公共劇場での活動期間(1982~2007)についてお話できればと思う。論集としては『越境する力』(1984)『演劇とは何か』(1988)『演出家の発想』(1994)を中心に考える予定。ただし、『バッコスの信女』(1978)以降の、ギリシャ悲劇とチェーホフ・イプセン等の西洋近代劇の読み直し上演、さらには近年の「歌謡曲シリーズ」とでも呼べる一連の作品について、映像資料を参考にしながら、ある程度言及できればと考えている。今回もまた、ゲンロン(東浩紀)の佐々木敦・批評再生塾の第三期総代に選ばれた渋革まろん氏に引き続き参加していただき、コメンタリーをお願いすることにしている。

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内野儀(うちの・ただし)

1957年京都生れ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了(米文学)。博士(学術)。岡山大学講師、明治大学助教授、東京大学教授を経て、2017年4月より学習院女子大学教授。専門は表象文化論(日米現代演劇)。著書に『メロドラマの逆襲―〈私演劇〉の80年代』(勁草書房、1996年)、『メロドラマからパフォーマンスへ―20世紀アメリカ演劇論』(東京大学出版会、2001年)、『Crucible Bodies: Postwar Japanese Performance from Brecht to the New Millennium』 (Seagull Press, 2009年)、『「J演劇」の場所―トランスナショナルな移動性(モビリティ)へ』(東京大学出版会、2016年)ほか。公益財団法人セゾン文化財団評議員、アーツカウンシル東京ボード委員、公益財団法人神奈川芸術文化財団理事、福岡アジア文化賞選考委員(芸術・文化賞)、ZUNI Icosahedron Artistic Advisory Committee委員(香港)。

渋革まろん

〈ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾〉3代目総代。演出家。座・高円寺劇場創造アカデミー4期修了。演出家としては、15年より街を散策して謎をはらんだ人間の身振りや行為を観察する「トマソン観察会」を月一開催。トマソンに感謝を捧げる「トマソンのマツリ」を年一開催。詳細はFacebookにて「トマソンのマツリ」で検索。