松井香乃・ひとり芝居公演
「ストロングヒューマンの定義」

私はずっと、強くなりたかった。というより、大人になれば強くなれると思っていた。
でも、どうだ？　私、今24歳。未だにすぐ泣くしすぐ言い訳するしすぐ不安になる。
私は強くなっていない･･･？　でも、私だって少しは成長していると思うのだ･･･！
じゃあ、大人になるってなんだ？　強くなるってなんだ？

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松井香乃
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ご挨拶：
＿松井香乃と申します。名古屋市出身・24歳・AB型・真ん中っ子・さそり座の役者です。･･･といろんな言葉で私を表すことはできますが、百聞は一見にしかず、見てもらわなきゃ話になりません。なので思い切って、自分でショーケースを作ってみることにしました。松井史上暫定１位の大勝負、どうか観てやって下さい。
＿先日友人と話していたら、「最近した一番大きな買い物」の話題になりました。皆がカメラとか鞄とか言う中で私の番が回ってきました。私、顎に手を当てて「そうだなぁ（十分にためて）劇場代かな～？」って言ってました。予想通りに皆の「カッコイイ」を浴びた瞬間、思いました。「ああ情けない、見栄っ張りめ、ダサすぎる」って。いつもこんな具合で、生活と理想の隙間から漏れ出てくる「弱さ」に打ちひしがれるのです。誰かを妬んだり利用したり優劣つけたり、そんな私に遭遇する度に心底嫌になりました。だから、自分が取るに足らない存在だと思うことはとてもたやすい。でも、そう思うのはやめたいのです。――やめたい！
映画や演劇の中では、弱い瞬間が何よりおもしろくて愛おしかった。喜怒哀楽は私たちそれぞれの尊さそのものに思えた。そして思いました。「強さ」の定義が違えば私たちはもっと楽に呼吸ができるはずだ、と。この物語は、過去の私を救うために書いたようなものです。
でももし、あなたの心に届いたら、そんな嬉しいことはありません。