2022.8.19金 - 8.21日
SCOOLシネマテーク Vol.3
佐々木友輔監督特集
日程
8月19日(金)
19:30〜20:37※上映後トーク
『上り終えた梯子は棄て去らねばならない』(67分)
※佐々木友輔、きりとりめでる(美術批評/デジタル写真論)によるトークを行います。
8月20日(土)
12:00〜13:43
『映画愛の現在 第Ⅰ部/壁の向こうで』(103分)
14:30〜16:13
『映画愛の現在 第Ⅱ部/旅の道づれ』(103分)
17:15〜19:02※上映後トーク
『映画愛の現在 第Ⅲ部/星を蒐める』(107分)
※佐々木友輔、佐々木敦によるトークを行います。
8月21日(日)
11:00〜12:56
『アトモスフィア』(116分)
13:50〜16:56
『土瀝青 asphalt』(186分)
18:00〜19:10
『TRAILer』(50分)+『Implication(Sado)』(20分)
19:45〜20:52※上映後トーク
『上り終えた梯子は棄て去らねばならない』(67分)
※佐々木友輔、渡邉大輔(批評家・映画史研究者)によるトークを行います。料金
一回券 1,200円
三回券 3,000円
全作品券 7,000円
※各回入れ替え制
SCOOLシネマテーク第三弾は、佐々木友輔監督の特集上映を行います。
佐々木監督は、揺動しつつ視線を持続するムービーカメラの独特な存在論と、具体的かつ抽象的なトポスへのこだわりを基底に、フィクションとドキュメンタリーの境界線を内的に無化するような。きわめてオリジナルな作品群を精力的に発表し続けています。
鳥取大学に勤務することになったことをきっかけに制作された『映画愛の現在』三部作は、今年(2022年)の恵比寿映像祭で上映され、話題を呼びました。
今回は、こんにちの、そして未来の「日本におけるシネフィリー(映画愛)」を考えるうえで必見というべき『映画愛の現在』のほか、これまでまとまったかたちで観る機会の少なかった代表作を作家自身がセレクト、最新作『上り終えた梯子は棄て去らねばならない』も上映します。
ぜひ、お見逃しなく。
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佐々木敦
<作品詳細>
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『上り終えた梯子は棄て去らねばならない』
67分/2022年/揺動FILMS07
監督・脚本:佐々木友輔、朗読・脚本:菊地裕貴、音楽:田中文久、挿画:823、デザイン:蔵多優美
主題歌:Cafun「Ladder」作曲:田中文久、作詞:菊地裕貴、ヴァイオリン:秋山利奈
出演:遠藤浩明、大久保藍(096k熊本歌劇団)、にゃろめけりー、櫛橋南美
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2021年11月、コロナ禍が続く中、ある大学でオンデマンド授業の動画配信が行われた。講師の堀多は、2011年3月に起きた大規模な集団失踪事件の記憶を記録するデジタルアーカイブの取り組みについて話し始める。そこで紹介されたのは、事件当時高校生のakane。彼女は失踪した祖父と過ごした最後の記憶をたどり、アーカイブにインタビュー映像を提供したことをきっかけに、事件を象徴する存在として祭り上げられていく。聞こえた声と聞き逃した声、聞きたかった声と聞けなかった声が乱反射する、ソーシャルメディア時代のスター誕生譚。
『映画愛の現在 第Ⅰ部/壁の向こうで』
103分/2020年/揺動FILMS01
監督・撮影:佐々木友輔、編集:井田遥、音楽:田中文久
主題歌「旅に出る唄」作詞・作曲:原將人(正孝)、編曲:田中文久、歌 : 大久保藍
出演:中村俊一郎、清水増夫、Clara、黒田ミキ、森本良和、長嶺泉子、中島諒人、映画を見る会、赤井あずみ、蛇谷りえ、安部大河、柿原朔太郎
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情報化やデジタル化を背景として、映像の視聴環境や制作環境が目まぐるしく変化している現在の状況下で、かつて隆盛を極めた「映画」は今後どこへ向かっていくのか。『映画愛の現在』は、日本の地方都市の一つである鳥取県の事例を通じて、未来の映画のあり方を問うドキュメンタリー三部作である。かつては鳥取県内にも多くの映画館があったが、閉館が相次ぎ、今では三館しか残っていない。しかしそのような環境でも、自分たちが見たい映画を見るべく自主的な上映活動を続ける人々が存在し、豊かな映画文化を作り上げてきた。シリーズ第一弾となる本作では、鳥取県東部で活動する個人・団体にインタビューを行い、彼らの声とその土地の風景映像を重ね合わせる。
『映画愛の現在 第Ⅱ部/旅の道づれ』
103分/2020年/揺動FILMS02
監督・撮影・編集:佐々木友輔、編集:井田遥、音楽:田中文久
主題歌「旅に出る唄」 作詞・作曲:原將人(正孝)、編曲:田中文久、歌 : 大久保藍
劇中歌「あてのない旅」作詞・作曲:原將人(正孝)、編曲:田中文久、歌 : 大久保藍
アニメーション・ドキュメンタリー制作:佐々木友輔、井田遥、音泉寧々、品岡トトリ、山崎七重、盛田実優、渡邉乃愛
出演:安部大河、柿原朔太郎、大久保藍、荒尾極、荒尾純子、中森圭二郎、波田野州平、村上大樹、松本凌、蛇谷りえ、金澤瑞子、杉原美樹、磯江正一、河原朝子、上所俊樹、野口明生、中山早織、小松亜希恵、服部かつゆき
声の出演:赤井あずみ、大下志穂、中島諒人、吉田明広、水野耕一、小山大輔(マルチーズ)
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鳥取県で自主上映活動を行う個人・団体へのインタビューを通じて、未来の映画のあり方を問うドキュメンタリー三部作の第二作。山陰本線の汽車に乗って、物語の舞台は鳥取県東部から中部へ。今回の旅では、自主映画やドキュメンタリーの作り手と多く出会うことになった。既存の枠組みに固執せず、地域に根ざした表現のかたちを模索する人々と言葉を交わしながら、この映画の作り手である佐々木は自分自身を省みる。霞がかった視界の先に、次の目的地が見えてくる。
『映画愛の現在 第Ⅲ部/星を蒐める』
107分/2020年/揺動FILMS03
監督・撮影・編集:佐々木友輔、編集:井田遥、音楽:田中文久
主題歌「旅に出る唄」作詞・作曲:原將人(正孝)、編曲:田中文久、歌 : 大久保藍
劇中歌「あてのない旅」作詞・作曲:原將人(正孝)、編曲:田中文久、歌 : 大久保藍
出演:青木郷香、大下志穂、赤井孝美、山口東炫、浦木誠一、武山輝詔、吉田明広、水野耕一、小山大輔(マルチーズ)、田口あゆみ、河本幸樹、升田乃愛、島崎寛己、田中晋
声の出演:村上大樹、松本凌、大久保藍
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鳥取県で自主上映活動を行う個人・団体へのインタビューを通じて、未来の映画のあり方を問うドキュメンタリー三部作の第三作。最後の旅は鳥取県西部が舞台。同地で活動する団体には、コミュニティの強さが感じられた。イベント当日に集まるだけではなく、ふだんから活発な交流があり、助け合いの精神を持っている。映画や映像は「作品」だけでは成立しない。鑑賞体験を構成する、記録に残らない様々な事柄を、忘れないうちに書き記しておくこと。
『アトモスフィア』
116分/2011年
制作:佐々木友輔、音楽:田中文久、美術:U事企画、デザイン:坂田希究
主題歌『リビング』作曲:田中文久、作詞:菊地裕貴、歌:浅野由美子、チェロ:木下通子、ギター:Hick Dundee
出演:豊永純子、鈴木平人、小林千花、永田希、鈴木晃二
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2011年の夏、新興住宅地ヴィラ・ラクテアに住むある夫婦の物語。妻は流産で娘を失ってから毎夜、自らの手で子供を殺してしまう悪夢に苦しめられていた。夢を見ずに過ごすためには、眠らずにいるしかない。そう考えた彼女は文字起こしの内職を始め、夜な夜なその仕事に没頭するようになる。夫は妻の健康を心配しながらも、何も代案を示すことができずにいた。そんなある日、新たな文字起こし用の音声データが届く。そこには、彼女とまったく同じ悪夢を見るという女の独白が記録されていた……。ホームビデオで撮影された夫婦の日常、二人が住む街の歴史について語る講演会の録音音声、そして流産で娘を失った女の「語り」、3つの位相の異なる物語が映画の上で出会い、かさなりあう、21世紀の家族映画(ホーム・ムービー)。
『土瀝青 asphalt』
186分/2013年
制作:佐々木友輔、朗読:菊地裕貴、音楽:田中文久、ロゴ:藤本涼、作:長塚節『土』
主題歌『おつぎ歌』作曲:田中文久、作詞:菊地裕貴、歌:飯塚理恵子、ヴァイオリン:秋山利奈
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『略称・連続射殺魔』や『初国知所之天皇』を嚆矢とする〈風景映画〉の系譜を引き継ぎつつ、「風景」の裏に隠された基層の秩序を捉えるために構築された方法論〈場所映画〉を実践した映画/ドキュメンタリー。JR常磐線・関東鉄道常総線・つくばエクスプレス沿線を中心として、茨城全土を移動しながら撮影した映像に、長塚節による長編小説『土』を編集・再構成したテキストを朗読する声と音楽を重ね合わせることによって、おおよそ百年前に書かれた場所をめぐるテキストと、現在の「郊外的」なる場所を捉えた映像とを映画の上で出会わせる。
『TRAILer』
50分/2016年
制作:佐々木友輔、朗読:カニエ・ナハ、朗読脚本:土屋誠一、音楽:田中文久
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1945年の春。米軍が読谷村・渡具知から沖縄本島に上陸し、同年6月に摩文仁の丘で日本軍の組織的抵抗が終了した。2015年の冬。私は渡具知ビーチと沖縄平和祈念公園を検索し、Google Mapだけを頼りに、2点を結ぶ撮影の旅に出た……。『土瀝青 asphalt』で構築した方法論〈場所映画〉の実践として、初めて訪れた土地のイメージと、その土地に抱いてきたイメージの距離を探る。
『Implication(Sado)』
20分/2021年
制作:佐々木友輔、朗読:小林千花、音楽:田中文久、絵:泉イネ、文字:823
スペシャルサンクス:泉イネ、木野彩子、寺田佳央、なみのはな美術館
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2019年9月14日から9月18日にかけての佐渡旅行を記録した映像日記に、同じ日、同じ場所に居合わせたかもしれない何者かのモノローグが重ね合わせられる。その声は、世界中に遍在する「目に毒を宿した男」との出会いについて語る。テッサ・モーリス=スズキが提唱した概念「implication」(連累)と、マルグリット・デュラスの映画『オーレリア・シュタイナー』三部作から想を得て、今後シリーズ化を予定している短編の第一作。
予約方法:
※「8月21日(日)19:45」の回に予約キャンセルが出たため、若干枚の当日券をご用意します。桟敷席(座布団)へのご案内となりますので、その点ご了承の上ご来場ください。
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info@scool.jp にてメール予約受付。
※件名「佐々木友輔特集」本文に「名前」「電話番号」「券種:①一回券②三回券③全作品券のいずれか」「ご希望の鑑賞日程」「枚数」をご記入ください。複数名でご予約の場合、全ての方のお名前と電話番号をご記入ください。こちらからの返信をもってご予約完了となります(24時間以内に返信します)。定員になり次第受付を締め切らせていただきます。
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※ご来場の際はマスクの着用をお願いします。また入場時に手指のアルコール消毒と非接触の検温をさせて頂きます。体調の優れない方、37.5度以上の熱がある方は来場をご遠慮ください。
お問合せ:SCOOL
メール info@scool.jp
企画:佐々木敦
主催:SCOOL