2019.11.8金 - 11.10日
TERATOTERA祭り2019 〜選択の不自由〜
日時
11月8日(金)、9日(土)、10日(日)
11:00~18:00参加費
無料
中央線沿線で様々なアートイベントを展開しているTERATOTERA(テラトテラ)が、街中でのアート展をはじめ、音楽ライブやパフォーマンスなどを盛り込んだ大規模展覧会「TERATOTERA祭り」を開催します。2011年度から始まり9度目となる今回は、11月8日、9日、10日の3日間、三鷹駅周辺の空店舗など9カ所を舞台に開催!9組のアーティストたちが、インスタレーションやパフォーマンス、絵画や映像などの作品を発表します。TERATOTERAならではの作品体験をぜひお楽しみください。
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選択の不自由
今回のテーマを決める話し合いで、Teraccollectiveメンバーの一人が、最近の出来事として、自分が正しいと思っていることを声高に言えないことがあったと口にした。理由は、周囲との関係性だったり、習慣に従わざるを得ない雰囲気があったりしたからということだった。暗黙のルールによって、自由に、心のままに選択ができない状況が語られた。
私たちの日常は、程度の差こそあれ、目の前に現れる選択の連続ともいえる。今の自分は、これまでの選択という点を結んだ線上の最先端に存在している。メンバーが経験したこの不自由な状況は、誰にでも起こりうることだ。
広辞苑で「自由」という言葉を引くと、「自由は一定の前提条件の上で成立しているから、無条件的な絶対の自由は人間にはない。自由は、障害となる条件の除去・緩和によって拡大するから、目的のために自然的・社会的条件を変革することは自由の増大である」と記されている。その意味では、私たちが日々、所与の条件の中で重ねている「選択」は、必ずしも自由ではない。むしろ、かなり不自由なものかもしれない。
この「選択」という行為が、人々の幸福度に影響を与えることを国連の関連団体が発表している「世界幸福度レポート」にも示されている。経済指標だけで見れば上位にあるはずの日本の幸福度は、意外にも低迷している。2012年の調査開始以来、年々下がり、最新の2019年版では156ヵ国中58位と、先進国の中では最低レベルだ。幸福度ランキングは6つの指標から決定されるが、日本の幸福度を押し下げている指標の一つが「人生における選択の自由度」(64位)なのである。
さらに、日本の現状は「選択の不自由」にさらなる拍車をかけてしまっているようにも見える。例えば、政治家の意思を「忖度」した選択によって、スキャンダルでメディアを賑わすことになった官吏は今や珍しくない。国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」では、脅迫的な内容のファクスや電話、メールによって、実行委員会が企画展の中止という苦渋の選択を強いられたことも記憶に新しい。
私たちは現代社会の「選択の不自由」にどう向き合えばいいのだろうか。答えを見つけることはそう簡単なことではない。今回の展覧会では、参加アーティストに来場者が鑑賞する際、何かを選択する仕組みを盛り込んでほしいと依頼した。アーティストはこの投げかけにどのような表現で応え、鑑賞者はその表現にどう向き合うのか。そこから「選択の不自由」をめぐる思考と対話が広がることを期待したい。
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Teraccollective
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Teraccollectiveとは
TERATOTERAのボランティアスタッフであるテラッコの歴代コアメンバー16名によって2018年に設立しました。メンバーの職業、年齢、性別は様々ですが、アーティストやアートの現場を支援し共に作り上げていきたいという強い想いを共有しています。TERATOTERA祭りは、2018年からTeraccollective(テラッコレクティブ)が手がけています。今後も、裏方だけのコレクティブとして、アートにまつわる様々な人や現場を支え盛り上げていきます。
【ART】
気鋭のアーティストによる、インスタレーションや絵画、映像、パフォーマンス作品などの展示。各作品に盛り込まれた「選択」もご体感ください。まずは北口交番横(東京都武蔵野市中町1-14)へお越しください。詳細マップをお配りします。
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「近視/遠視」李晶玉×鄭梨愛
会場:SCOOL(東京都三鷹市下連雀3-33-6 三京ユニオンビル5F)
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※ほか開催概要は公式ウェブサイトからご確認ください。
お問い合わせ
TERATOTERA事務局
〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町1-8-7 Art Center Ongoing内
TEL:090-4737-4798
E-mail:info@teratotera.jp
クレジット
主催:東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、一般社団法人Ongoing
後援:三鷹市、武蔵野市
協力:HYM(ハモニカ横丁ミタカ)、まちづくり三鷹、三菱地所コミュニティ株式会社
李晶玉
在日朝鮮人3世という立場から、国家や民族に対する横断的な視点を足がかりに制作を展開している。古典絵画の構図や象徴的なモチーフを借用し、マジョリティの文脈や構造にアプローチをかける試みや、近作ではメタ・フィクション的な手法を使った作品を制作している。参加展示に『武蔵美×朝鮮大 突然、目の前がひらけて』(2015)や『在日・現在・美術』(2016)、『35th paralell north』(2019)など。
鄭梨愛
1991年生まれ。2018年朝鮮大学研究院総合研究科美術専攻修了。在日朝鮮人一世である祖父の肖像を通し個人と歴史の関係性を探りながら、定型化された歴史のストーリーと個人の肉体的な感覚を連結させ、歴史の語り方に疑問を投げかけている。主な展覧会は「武蔵美×朝鮮大突然、目の前がひらけて」(武蔵野美術大学、朝鮮大学校、2015)、「境界を跨ぐと、」(東京都美術館、2017)、「Behind the Terrain -sketches on imaginative landscapes-」(小金井アートスポット・シャトー2F / 2018)、「コリアン・ディアスポラ 離散を超えて」(韓国、京畿道美術館、2018)、「35th parallel north」(小金井アートスポット・シャトー2F、2019)などがある。