日本美術サウンドアーカイヴ──渡辺哲也《CLIMAX No.1》1973年

2018.3.25

日本美術サウンドアーカイヴ──渡辺哲也《CLIMAX No.1》1973年

日時

2018年3月25日(日)
12:00-20:00

入場料

予約2000円/当日2500円

3.25 SUN12:00
  • 開場は30分前から
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日本美術サウンドアーカイヴ
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_日本にはこれまでに、美術館や画廊、アトリエや公共空間でさまざまな音を鳴り響かせてきた美術家がいる。しかし、ほとんどの音は鳴り止んでしまえば、再び聞くことがかなわなかった。視覚資料を中心とする美術史のなかで、音をめぐる情報はどうしても断片的なままに留まってしまう。日本美術サウンドアーカイヴはこうした美術家たちによる参照しにくい過去の音にアクセスしようとするプロジェクトである。
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_作家や関係者へのインタビュー、文献調査、作家が所有する録音などを通じて、過去の作品にまつわる情報を収集し、整理する。そして、作品の再制作や再演を作家に依頼し、もしくは自分たちの手で行い、展覧会、イベント、レコードなどのかたちで発表していく。このような活動を通じて、日本美術における音の意義を検討し、その可能性を開くための基盤をつくりだしたい。
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_日本美術における過去の音について考えようとするとき、現代の私たちはたくさんの問いに出会う。それは各時代の美術の動向のなかでいかに位置づけられたのか。音楽をはじめとする同時代の他の芸術といかに結びつき、区別されたのか。同時代の聴覚文化や視覚文化といかに関わってきたのか。これらの問いを前にした人が、まず音に向きあうことから探求をはじめられるようにすることは、このプロジェクトの大きな目的のひとつである。
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2017年10月 金子智太郎 畠中実
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メインビジュアル:渡辺哲也《CLIMAX No.1》1973年 提供:伊藤純子 撮影者不明

<上演作品>
渡辺哲也《CLIMAX No.1》(1973年)再演
渡辺哲也《コーヒーを飲む》(1975年) 他
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<レクチャー、トーク>
出演:畠中実、金子智太郎

<タイムテーブル>
12:00-18:00 渡辺哲也《CLIMAX No.1》再演
18:00-19:00 畠中実、金子智太郎によるレクチャー、トーク

19:00-20:00 渡辺哲也《コーヒーを飲む》他上映
※途中入退場可能です。会場で飲物も販売しています。

予約方法: info@scool.jp にてメール予約受付。
※件名「日本美術サウンドアーカイヴ」本文に「名前」「電話番号」「枚数」をご記入ください。こちらからの返信をもってご予約完了となります(24時間以内に返信します)。定員になり次第受付を締め切らせていただきます。
※予約キャンセルの場合は、お手数おかけしますが、 必ず事前にご一報ください。

お問合せ:SCOOL
メール info@scool.jp

協力:日本映像学会アナログメディア研究会

渡辺哲也(1947-2007)

1947年、岐阜県に生まれる。東京造形大学絵画科を1971年に卒業。松本俊夫の下で映画制作に携わりながら、60年代半ばより美術作品・映像作品を発表。1970年、東京造形大学にて学内連日パプニングを開催。個展に「CLIMAX」シリーズ(1973-4年)、「コーヒーを飲む」(1975年)、「be-account」シリーズ(1976-77年)他。グループ展に「京都アンデパンダン展」(1973年)、「〈実務〉と〈実施〉・12人展」(1973年)、「京都ビエンナーレ」(1973, 76年)、「映像表現 ’74」(1974年)、「アンダーグラウンドシネマ新作展」(1975年)、「パリ青年ビエンナーレ・フィルム部門」(1975年)、「80年代映画への胎動――70年代ノン・シアター・シネマの回顧」(1979年)他。

畠中実

1968年生まれ。NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]主任学芸員。多摩美術大学美術学部芸術学科卒業。1996年の開館準備よりICCに携わる。主な企画には「サウンド・アート──音というメディア」(2000年)、「サウンディング・スペース」(2003年)、「サイレント・ダイアローグ」(2007年)、「可能世界空間論」(2010年)、「みえないちから」(2010年)、「[インターネット アート これから]―ポスト・インターネットのリアリティ」(2012年)、「アート+コム/ライゾマティクスリサーチ 光と動きのポエティクス/ストラクチャー」(2017年)など。ダムタイプ(2002年)、明和電機(2004年)、ローリー・アンダーソン(2005年)、八谷和彦(2006年)、ライゾマティクス(2013年)、磯崎新(2013年)、大友良英(2014年)、ジョン・ウッド&ポール・ハリソン(2015年)といった作家の個展企画も行なっている。ほか、美術および音楽批評。

金子智太郎

1976年生まれ。美学、聴覚文化論。非常勤講師。最近の仕事に、論文「一九七〇年代の日本における生録文化──録音の技法と楽しみ」(『カリスタ』23号、2017)、発表「「環境」からの逸脱──1970年代日本の現代美術における音響技術」(表象文化論学会、2017)。共訳にジョナサン・スターン『聞こえくる過去──音響再生産の文化的起源』(中川克志、金子智太郎、谷口文和訳、インスクリプト、2015)。