2017.5.23火
土居伸彰『現代アニメーション入門(仮題)』執筆のための準備レクチャー
講師
土居伸彰
日程
5月23日(火)19:00-21:30
参加費
2,000円
「第2回 アニメーションの現状について、表現の変質という側面から把握する」
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フィルムアート社から今夏出版予定の土居伸彰氏の新著『現代アニメーション入門(仮題)』執筆のため、土居伸彰が準備レクチャーを行います。今回の書籍は、世界のアニメーションの現状についてのマッピングを共有し、いまだに旧来的なものに留まっているように思われる日本国内でのアニメーションに対する認識をアップデートすることで、これからのアニメーションについての見取り図を提示する本となります。現代アニメーションの最前線を分け入るための、新たな試みです。
「アニメーションは変わる」。
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本書のテーマを端的に表わすとこのような言葉になるでしょう。制作におけるデジタル化や動画サイトの登場といった環境的な変化とそれがもたらす新たな構造について語られる本であり(アニメーションをめぐる環境の変化の側面)、また、同時に、前著『個人的なハーモニー ノルシュテインと現代アニメーション論』(http://filmart.co.jp/books/history_theory/doi_norshteyn/)においてすでに示された「個人的」「原形質性」といった概念を、本書では商業・非商業作品を超えてさらに幅広く適用させることを試み、アニメーション評論・批評にもアップデートを図る本になります(アニメーション表現の変化という側面)。どちらの側面にとっても、2016年の日本におけるアニメーションの盛り上がりは、大きなトピックとなるでしょう。
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本イベントは、『現代アニメーション入門(仮題)』執筆のためのベースとなるべきテーマを大きく2つに分けて土居伸彰氏がレクチャーするものです。
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三鷹・SCOOLでは、その第2回目を開講します。
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2回のレクチャーはそれぞれ別の切り口からのものとなるので、2回ともに出席すれば来たるべき書籍の全貌を把握することができるでしょうし、どちらか1回のみ参加いただくのでも十分にお楽しみいただけるはずです。
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また、各日とも講演の後には比較的長めの質疑応答の時間を設けます。そこでの内容も当然のことながら来たるべき書物には反映されてくるでしょう。是非ともこの「現代アニメーションをとらえなおすための新しい試み」に、影響を及ぼしに来てください。
予約方法:
contact@newdeer.net まで、件名「5/23レクチャー」、本文に「お名前」「電話番号」「参加人数」をご記入のうえ、メールをお送りください。
※定員(30名)に達した場合、受付を締め切らせていただきます。
※「第1回 アニメーションの現状について、環境の変化という側面から把握する(2017年5月15日(月)開催)については、フィルムアート社のホームページ(http://filmart.co.jp/books/history_theory/doi_norshteyn/)および恵比寿amu(http://www.a-m-u.jp/)のホームページをご覧ください。
土居伸彰(どい のぶあき)
1981年東京生まれ。アニメーション研究・評論。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)。株式会社ニューディアー( http://newdeer.net/ )代表取締役。
2016年12月に博士学術論文をベースにした初の単著『個人的なハーモニー ノルシュテインと現代アニメーション論』(フィルムアート社)を出版。ロシアの切り絵アニメーション作家ユーリー・ノルシュテインの作品を中心とした、非商業アニメーション作品や個人制作、インディペンデント作品に通底する原理とその歴史について明らかにする本書は、アニメーション論を刷新する仕事として話題となりました。
2006年頃より、評論や上映企画、レーベル運営などを通じて、インディペンデント作品を中心とした国内外の優れたアニメーション作品を日本の紹介する役割を担ってきました。海外のアニメーション映画祭でのキュレーター、審査員としての経験も豊富で、アヌシー、ザグレブ、オタワを中心とする海外のアニメーション映画祭の動向や、産業も含めた新たな動きについても精通しています。
2015年には配給会社として株式会社ニューディアーも設立。『父を探して』(アレ・アブレウ監督)や『明日の世界』(ドン・ハーツフェルト監督)といった話題作を日本の劇場向けに配給。また、世界唯一の「空港内映画祭」である新千歳空港国際アニメーション映画祭のフェスティバル・ディレクターとして、個性ある国内外のアニメーション作品を幅広く紹介しています。