美学校実作講座「演劇 似て非なるもの」第6期 修了公演

2019.3.21

美学校実作講座「演劇 似て非なるもの」第6期 修了公演

日程

3月21日(木・祝)

<昼公演>
開場13:00/開演13:30
<夜公演>
開場18:30/開演19:00

料金

予約1,500円/当日2,000円

3.21 13:3019:00
  • 開場は開演の30分前からになります。
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今期は3人の受講生が各自ひとつの作品を作ります。僕も修了生の鈴木健太君と一緒にひとつ作ることにしたので4つの短編作品によるオムニバス公演になります。
受講生の1人、太田七海さんが多人数による作品をイメージした事を切っ掛けに、現受講生以外の外部の方々に多く参加して頂くことになりました。主に昨年7月に鈴木健太君と行った『日々の公演』で知り合った人たちや、本講座の修了生たちです。4作品を同時に制作する事も、修了公演を美学校の外で行うのも初めての事です。
太田さんも石垣さんも冨田さんも生まれて初めての舞台作品を作っています。作ったものを人に見せる事は、それが初めてであれば尚更恐いことだろうと思います。だけど、最初に作るものには、その人のこれまで全てが込められているはずです。受講生の子たちそれぞれが一番やりたいことを試せる場であればと願っています。こちらも負けないように作るだけです。
4つの作品は全く毛色の違う独特のものになりそうです。ぜひ、楽しんで観て頂けたらと思います。
後日、美学校で批評家の佐々木敦さんを招いての長~いアフタートークも行います。こちらも併せて、是非、ご観覧宜しくお願い致します。
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生西康典

プログラム:
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『森』
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人が外側から形を決められる。中にあるのじゃなくて、間にあるもの。森は未来。人と出会ってるけど出会ってない。(太田)
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「太田さんに最初に会った時、ファッションショーの演出をしたいと言っていた。それはつくりたいもののイメージに、自分が見知っている中で一番近かったのがファッションショーだったからだと思う。実際に太田さんが9人の人たちとカタチにしつつあるものを見ていると、それはファッションショーとはほど遠いものだけど(ただしファッションショーにも応用出来るものだと思う。そんなショーがあったら見てみたい)、僕が今まで観た、どんな演劇にも似ていないものです。」(生西)
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作・演出:太田七海(6期生)
出演:石田ミヲ、岩田里都(シラカン)、根本美咲、桒野有香(1期生)、石垣真琴、冨田学、マナバット ロビン カヤゴ、橋本清(ブルーノプロデュース)、山本伊等
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『浜辺で波が引く時のめまい』
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自分37なのですが、去年の4月に首くくり栲象さんという方のニュースを見て、それから生西さんと美学校のこの講座の存在を知りました。
小演劇も去年初めて観たのですが、何の潮流にもならなさそうなことを、ただやっている、という風に見え、そこが良く思えました (そういうものばかりではないかもしれませんが) 。共演していただける瀧澤さんはそうした中でお会いした方の一人です。
演目を考えるにあたって、生西さんはとにかく何事も「やってみましょう」と仰るのですが、何もできず、呆然とする、とか、稽古のはずがカウンセリングのようになる、等、自らの様々な人間的限界に直面しつつ、それ自体を興味深く感取しています。
客観的価値を提示するという意味での作品を作ることは、現在の私には難しいかもしれないのですが、結果としてそうであってしまう何かについては、それを隠すことはできず、なので何であれ、十分に引き受けて持ちこたえねばならないのだろう、と考えております。よろしくお願いいたします。
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作:冨田学(6期生)
演出:生西康典
出演:冨田学、瀧澤綾音(4期生)
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『劇より、長い。』
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私の半生を描きます
今まで生きてきた私をなるべくそのまま出します
皆さんは、どんな歩みをしてきましたか?今日お越し頂いた皆さんの生き方も1人残らず聞いてみたいです
絶対に一人一人、愛すべき人間です
自分を大切に思う気持ちからできた作品です
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作・演出:石垣真琴(6期生)
出演:石垣真琴、マナバット ロビン カヤゴ、冨田学
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『ある家族のせんねんまんねん』
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会場には4人います。女が1人、女が1人、男か女かわからなかった1人、男が1人います。1人目はガマ口財布、2人目は果物をたくさん、3人目はへその緒、4人目は小さなナイフを持っています。
彼らは、やしの木の下で生まれ、森に暮らし、日のあるうちは川のそばを離れないように歩いて、夕暮れを合図に寝床を決め、夜、休みます。横になって季節や天気の話をします。暗闇に1日が溶けるまで、おしゃべりを楽しみ、みんなとはぐれないように、でも寝苦しくないように、いつもすこし互いを気にしながら、それぞれの呼吸で、眠りにつきます。月がそれを見ています。
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作:鈴木健太(2期生)
演出:生西康典
出演:高山玲子、竹尾宇加(5期生)、成澤宇宙、鈴木健太
特別出演:武本拓也(4期生)
美術・衣装:竹尾宇加
スネア演奏:石垣真琴

照明:小駒豪
フライヤーデザイン:鈴木健太

予約方法:以下のページからご確認ください。
https://bigakko.jp/event/2019/engeki-shuryokoen

「長~いアフタートーク」
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アフタートークは後日、美学校にて、三人三様の作品がどのように生まれたのか、批評家の佐々木敦さんをゲストにお招きして、たっぷり時間を取って聞きたいと思います。
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日程:3月25日(月)
時間:開場18:30/開演19:00
出演:石垣真琴、太田七海、冨田学、生西康典
ゲスト:佐々木敦(批評家)
料金:500円
会場:美学校 本校(地図
東京都千代田区神田神保町2-20 第二富士ビル3F

お問合せ:美学校
メール bigakko@tokyo.email.ne.jp
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主催:美学校

太田七海

1996年生まれ。22歳。

「太田さんは記すべき経歴は何も無いと言う。僕は太田さんがこれまで何をして来たのか、普段何をしているのかほとんど知らない。一度受講生3人に1人づつ会って、今興味があることについて話を聞いたことがある。その時、印象的だったのは大学で福祉、社会企業について学んでいたが、職が無い人に仕事を与えると言いつつも実際には限られた職種しか無く、職業選択の自由が殆ど無い。そうしたことに疑問を持ったりしたということ。その後にアートに可能性を感じて興味を持つようになったという。その転換がとても分かるような気がしたけど、実際のところは…分かりません。本人にだって分からないのかもしれない。僕は説明出来ないけれど、突き動かされるように作られたものに興味があるし、そういうところからしか面白いものは出ないと思っています。」(生西)

冨田学

1981年生まれ。大学中退後、荷揚げ・警備員・設営などをし働いて生きる。2017年城西工業株式会社入社。2018年美学校「実作講座 演劇 似て非なるもの」受講。夜河川敷に立っているのが好き。最近Refa Caratを購入した。体が硬い

石垣真琴

4歳から13歳までクラシックバレエ

ドラム 13歳から今も継続中

ドラムをする事は、私にとって溜まった洗い物です

劇を見て頂ければ私がどんな人間かだいぶわかるかと思うので割愛します

鈴木健太

1993年生まれ。美学校実作講座「演劇 似て非なるもの」第2期修了。舞台作品の制作のほかに、グラフィックデザインとヘルパーの仕事をしています。2018年は「象を撫でる」(音響・宣伝美術)、「日々の公演」(作・演出協力・出演)、「こんなに知らない貝と皿」(照明・演奏)。そのほかに音楽家のグルパリ「演奏」、画家の吉原航平「未明の目」の個展の企画。2019年はグルパリ個展「FOR GLASS, METAL, PLASTICS」(展示演出)、公演「baby, maybe, message, game.」(グルパリとの共同制作)。

生西康典

1968年生まれ。舞台やインスタレーション、映像作品の演出など。インスタレーション作品:『風には過去も未来もない』『夢よりも少し長い夢』(2015、東京都現代美術館『山口小夜子 未来を着る人』展)、『おかえりなさい、うた Dusty Voices , Sound of Stars』(2010、東京都写真美術館『第2回恵比寿映像祭 歌をさがして』)など。空間演出:佐藤直樹個展『秘境の東京、そこで生えている』(2017、アーツ千代田3331メインギャラリー)。書籍:『芸術の授業 BEHIND CREATIVITY』(中村寛編、共著、弘文堂)。